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2022年

見落としの改善法

将棋は、100手で終局する場合、その半分の50回自分の駒を動かすことになります。そこで重要なのは、最善手を1手指すよりも、大悪手を1手指さないことです。 例えば、100点満点として10点の手が1手ある場合、どれだけ100点の手があったとしても全体としては10点になる、つまり、悪い手の点数に全体の点数が引きずられる、が将棋の特性です。もし最善手にこだわるあまり、大悪手を指してしまう可能性が高まるので […]

定跡とは何か?

「そもそも定跡って何ですか?」 先日、受講生の保護者からこのような質問をいただきました。また、日々受講生と対局し、保護者とやり取りしていると、定跡を捉え方一つで指す将棋が全く異なるのを感じており、今回は定跡に対する私の考えを書きたいと思います。 定跡を私の言葉で定義すると、 「先人達が創り上げた見本となるいい指し方」 です。昔の上手な人が束になって、一生懸命に研究して、命をかけて対局を重ね、長い年 […]

守破離

ありがたいことに、最近は毎日のように受講生と対局する機会をいただいています。その中で、自分流の戦法や指し方をしていて苦労している子が一定数います。 よほど将棋のセンスがあり、自分流で押さえるべきポイントを網羅出来ていれば問題ありませんが、この教室を4年半やってきてそんな子はほぼ皆無です。自分流の戦法や指し方にはどうしても構造上の欠陥があり、土台がしっかりしていないので、その後の中終盤でいい手が存在 […]

新たな挑戦

「この教室でも合宿を開催して!」 という依頼が受講生親子からあり、今、夏合宿の準備をしています。この教室は新たなことに積極的に挑戦する、というスタンスを大切にしているつもりです。(転ぶことも多いですが…笑) 今回は、その背景にある考えと経験について書きます。 -受講生親子からあった依頼はNoとは言わず全て検討する (個人指導、船橋と東京への移転、オンライン対局などは、依頼がきっかけでサービス化して […]

好き嫌い

大変ありがたいことに、今ではこの教室に、たくさんの高段者の子にご参加いただいています。 彼らの将棋を見ていると、特定の領域(戦型、指し方、展開)だったら同世代の子にほとんど負けないという武器を持っており、それで勝ち星を量産してきたことがよくわかります。 そこで思うのは、その武器を今後も大切にしてほしい、と同時に、その武器だけに頼っていてはいずれ今までのように勝てなくなるよ、です。 今回は、その背景 […]

オンライン対局活用法

最近、オンライン対局のお申込が増加傾向にあります。大変ありがたく、うれしいですが、一方で危険な兆候でもある気がするので、今回は率直な思いについて書きます。 指導対局は、学んだことを試す場であり、事前の準備をして初めて上達につながる、ことをご認識いただきたいと思っています。 これは、この教室に限らず、他のあらゆる教室のサービスでも同じで、親子での学習やその学習に基づいた練習対局と、先生との対局が組み […]

精神鍛錬

某中学校2019入試問題 少し前になりますが、息子(小5)が通っている塾のGWの宿題の1つは、算数の計算問題でした。上のようなわけのわからない…笑 問題を150題解いて、その計算過程と解答を記したノートをGW明けの開校日に持参せよ、という宿題でした。 なぜこんなに煩雑な計算をたくさんさせるんだろう?と見た瞬間は思いましたが、一緒に解いているとその目的がおぼろげながら見えてきました。 目的の1つは、 […]

受けの基本思想

将棋は相手の玉を先に取れば勝ちのゲームで、その目的を達成するために、”攻め”と”受け”の2つの戦い方があります。“攻め”と”受け”に優劣はないが私の将棋観ですが、こどもにとって”攻め”の方が理解しやすく好きな子が多いため、この教室で取り上げるのは”攻め”の比重がどうしても高くなりがちです。しかし、もちろん”受け”が好きで強みを発揮する子も一定数います。 そこで今回は、受けの基本的な考え方について書 […]

Be Do Have

「次回から×部で参加させていただくのは可能でしょうか?」 この教室では、東京と大阪にある将棋会館道場と将棋ウォーズの段級位、将棋倶楽部24のレーティングでオンライン勉強会のクラス分けをしています。(クラス分けの規定は、こちらのページをご確認ください。) その中で、最近上記のような問い合わせをたくさん受けました。今回は、その時に感じたことを書きます。 成功哲学の分野に”Be” “Do” “Have” […]

戦法が上手くいかない時の考え方

「三間飛車に対する右四間飛車が上手くいかないから、穴熊に変えました。」 教室を運営していると、これまでやっていた戦法が機能しないので別の戦法にチャレンジしてみる、という話をよく聞きます。 この話は、上達する上で重要な論点が内在しているので、私の考えを書きたいと思います。 原因を究明、理解する まずは、これまでの戦法が上手くいかない原因を究明し、理解しましょう。 将棋の戦法には、優劣はないので(AI […]