目線の高さ

将棋は(将棋以外でも同じだと思います)棋力が上がれば上がるほど、盤上の技術だけでなく、それ以外の+αが求められるゲームです。その1つが”目線の高さ”だと思っています。

どのような目標を設定するのか、どのような視点で物事を捉えるのか、どのくらい深く広く考えるのか、どのくらいの時間軸で取り組むのか、、、そして、どのくらいで満足するのか

これらは全て目線の高さで決まります。

私自身の将棋人生を振り返ると、目線の高さを引き上げてもらった経験がいくつかあります。今回は、その一部をご紹介します。

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1つ目は、高校1年生の時に初めて全国大会に出場して、全国レベルの強豪の対局と感想戦を初めて生で見た時。それまで多くの時間を過ごした道場やローカル大会では見たことがない迫力のある対局と聞いたことがない話を目の当たりにし、目指すレベルが一気に引き上がりました。

2つ目は、高校2年生の春に師匠に初めての指導を受けた日。詰将棋を1万問解くこと棋譜を可能な限り全て残すこと、という指示を通して、必要な努力の量や取り組みのスピードが明確になりました。

3つ目は、高校3年生の夏に初めてアマ名人戦の全国大会に出場した時。前夜祭の後に食事に誘われ、そこで初めてアマ超強豪の早咲誠和さんとお話しさせていただきました。

「アマチュアの究極の目標は、竜王戦6組で優勝する事だと思ってるんだ。」

高校名人と高校竜王を獲得し、次は大学やアマの日本一を見据えてようとしていました。しかし、アマタイトルを目指し、そのレベルで満足するくらいでは目標に届かない事を悟り、より高いレベルを目指す決意が生まれました。

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これらの経験のように、目線の高さは人との出会いによって引き上げられます。将棋だけでなく様々な事にチャレンジして、面白い人たちとたくさん出会い、会話して、自分自身のレベルをどんどん上げていってほしいですね。

今週末7/13(土)の詰将棋講座は,第一人者の若島正さんと時間を共有することでそのような経験が得られると確信しています。私も、自身の目線の高さを引き上げ、可能性を拡げられる日にしたいと思います。