戦法分類法1

前回のブログで、自身が指したい将棋と戦法や指し方の特性を一致させよう!と書いたところ、

「それぞれの戦法にどのような特性があるのか、将棋を知らない親にもわかるよう図式化(見える化)してほしい」

という依頼をいただいたので、今週から何回かに分けて書きたいと思います。初回は「玉と飛の位置関係で戦う場所が決まる」です。


将棋の戦法は、玉と飛の位置関係で大きく3つに分類でき、それぞれ戦う場所が異なります。(厳密には例外がありますが、まずはこの分け方が良いと思っています。)

玉と飛が向かいあっている「縦の将棋」=相居飛車(矢倉、雁木、角換わり)、相振り飛車

それぞれ玉を囲い、飛側から相手の玉の近くを攻めます。自陣から直接相手の囲いを攻めるので「縦の将棋」と言います。戦法の特性は「攻め合い」です。

玉と玉、飛と飛が向かいあっている「横の将棋」=居飛車対振り飛車

それぞれ玉を囲い、まずは飛側で戦いが起こり、その後に玉側の寄せ合いになります。敵陣の飛車側から囲いを寄せるので「横の将棋」と言います。戦法の特性は「捌き合い」です。

玉が真ん中あたりにいて、飛が中段にいる「空中戦」=相居飛車(横歩取り、相掛かり)

玉の囲いは最小限(中住まい、場合によっては居玉など)に、大駒が飛び交い盤面全体が戦いの場になります。乱打戦で「空中戦」と呼ばれます。戦法の特性は「技の掛け合い」です。

そして、それぞれの特性によって、学習方法が変わります。

「縦の将棋」
序中盤:定跡で相手の囲いに対する攻め方、守り方(攻め駒と守り駒の交換、交換した後の攻め方)
終盤:流動的で本に載っていない形になることが多く実戦を積むしかない、「寄せの手筋200」などで、最後の必至のかけ方、詰まし方を学ぶのは有効

「横の将棋」
序中盤戦:定跡で捌き方(攻め方と反撃の仕方)
終盤:囲い崩し(それぞれの囲いに対する駒のポジショニング、必要な持ち駒)

「空中戦」
序中終盤:定跡で技の掛け合い(例えば、横歩取り4五角戦法、相横歩取り、のように終盤まで整備されている定跡あり)

上記のように、自身の得意戦法、指したい戦法の序盤から終盤まで体系的に学ぶのに合わせて、対局を重ねると、上達が早く、指しこなせるようになると思っています。


次回は「角の使い方で戦いの流れの速さが決まる」です。