今は力を蓄える時

この1週間、立て続けに大きなお知らせがありました。

「大山名人杯争奪 第19回全国小学生倉敷王将戦」の開催中止について

2020年度「将棋日本シリーズ」こども大会(大阪/東京)開催見送りのお知らせ

倉敷王将戦は、全国大会の中止に合わせて都道府県大会も相次いで中止になりました。テーブルマークこども大会は、大阪/東京大会の2大会の中止で、今年度予定されていた全11大会の中止が決まりました。

今年は、小学生の大会だけでなく、中学生は全国中学生選抜将棋選手権、高校生は全国高等学校将棋選手権、全国高等学校将棋竜王戦が中止になり、コロナウイルスの影響で、主要な大会がほぼ無くなりました。

こども将棋教室の先生としても、3年生の息子を持つ親としても、残念な気持ちで一杯です。また、もし自分が選手の立場だったら、全身全霊をかけて目指していたものが奪われ、きっと気持ちの整理がつかないです。なので、一生懸命に頑張ってきた子にかける言葉すら見つからない状況ですが、、、近い未来に大会が再開されるのを信じて、気持ちだけは切らさずに取り組んでほしいと思います。


大変厳しい状況ですが、一方で見方を変えると、大会がほとんど開催されない今は、自分の将棋を見つめ直すいいタイミングだと思います。あの藤井聡太二冠も、対局の無かった数カ月間に自分の将棋を見つめ直した旨、発言されています。自分の将棋を見つめ直す、とは、子供の将棋では例えばこんな事です。

①読みの力(広さ、深さ、正確さ、速さ)の長所、短所を把握し、改善する
 何と言っても、将棋の技術の根幹をなすのは読みの力です。その力を少しでも高めるために詰将棋を継続するのをおススメします。
 詰将棋は、読みの力を鍛えるだけでなく、読みの力のどこに問題があるのかも教えてくれます。様々な手を読む”広さ”なのか、先の先まで読む”深さ”なのか、確からしい手を読む”正確さ”なのか、限られた時間で読む”速さ”なのか。この教室の受講生であれば、宿題の詰将棋が読みの力のどこに問題があるかを教えてくれるはずです。
 もし、読みの速さに問題があるのであれば、詰将棋ハンドブックなど、短手数の詰将棋で何度も解いて、頭の回転を速くする。もし、読みの正確さに問題があるのであれば、勝手読みをしないよう、詰将棋の誤答率を減らすために解答後に何度も確認する癖をつける。こんな練習方法が考えられます。

②新たな戦法にチャレンジする
 一つの戦法を極めるのも素晴らしいですが、それだけだと思考が狭まります。これを機に、新しい戦法にチャレンジするのもありだと思います。
 その際、これまでと全く違う戦法にチャレンジするのも良いと思いますが、その勇気がなかなか持てなければ、今の得意戦法と相関性のある戦法にチャレンジするのが良いと思います。ノーマル振り飛車が得意戦法なのであれば、角交換型振り飛車を指してみたり、角換わり棒銀が得意戦法なのであれば、対振り飛車棒銀など他の棒銀戦法や角換わり早繰銀を試すようなチャレンジの仕方は有効でリスクが少ないです。さらに、その新しい戦法が今の得意戦法と合わせて、抜けのない=相手がどんな指し方で来ても、準備した形になる状態になると尚良いですね。

コロナ禍でも、気持ちを切らさず、将棋への興味を保ち続けれるよう、各自工夫して取り組みましょう!