本は10回読む

将棋を本格的に勉強するために避けて通れないのは、本読み、です。

道場(最近ではオンライン対局)などでの実戦は必須ですが、実戦オンリーではどうしても我流になってしまいます。実戦と本読み(詰将棋、定跡、棋譜並べ)をバランスよく行い、我流でもなく、セオリーに頼りすぎない将棋を目指すのが良いと思っています。

そこで、今回は本読みについて私の考えるポイントをお伝えしたいと思います。


リアルな書店に行ったり、Amazonなどのネットで調べたりすると、将棋の本はたくさんあることがわかります。他の学問と同じように、将棋もとても膨大な情報(技術)があり、レベルや課題によって学ぶべき内容が異なります。何をどの本で勉強すべきかわかりにくいので、習っている先生など信頼できる第三者に聞いて、本を厳選してほしいと思います。例えば、級位者であれば、詰将棋を「詰将棋ハンドブックシリーズ」、必至を「寄せの手筋200」、定跡書を中飛車を得意戦法にしたいのであれば「攻めて強くなる戸辺流中飛車」、のように選びます。

次に、厳選した本を繰り返し読んでほしいと思います。必要な回数は個人差がありますが、10回読めば誰でも必ず身に付きます。例えば、詰将棋については、詰将棋練習法にも記載した通り、数を重ねればその問題を見た瞬間解けるようになりますし、定跡書については、最初の3~5回は満遍なく読み、その後は、実戦で現れた時に関連する箇所を自分の読み筋や考えと本に記載している内容を比較するように読めば、得意戦法の定跡を必ずマスターできます。

最後に、(データがあるわけではなくあくまで私の感覚ですが)大会で優勝、入賞や道場で昇段、昇級しているような結果を残している子は、親に音読してもらっているケースが多い気がしています。小学生、特に低学年には、本に書いてある文章を自力で読んで理解するのはなかなか大変な作業で、親のサポートは有効でしょうし、わからない言葉が出てきた時に、親子で一緒に考え理解を深めるのは価値のある営みだと思います。

最近では、YouTubeなどの動画でも将棋を勉強する子も多いと思いますが、断片的な情報ですし、テキストに比べて動画は情報量が少なく、学習の生産性の観点で、本をメインに据えるべきだと考えています。


-必要な本を厳選する
-10回読んで身に付ける
-親の音読は有効

地道でなかなか大変ですが、力がつくのは間違いない勉強法だと確信しています!