負けないための序盤力(角道クローズ四間飛車1)

前回のブログからかなり時間が経ってしまいましたが、有段者から高段者を目指したり、低学年から高学年の将棋にシフトする時に、序盤をどのように理解するのが良いのか、具体的な話を書いていきたいと思います。(あくまで一例です。人それぞれ理解の仕方は違ってよいと思います。)

題材は、角道クローズ四間飛車、です。


1.戦法の骨子を押さえる

低学年や初段になるまでは、一問一答の問題集などでパターンを丸暗記するだけでもよいと思いますが、高段者や高学年の将棋にシフトするためには、戦法の骨子の理解が欠かせません。

なぜなら、そのレベルに到達するためには、初段までに必要な内容、量とは比較にならないほど勉強すべき事が増え、ただ覚えるだけでは対応できず、真の理解が求められるからです。もし得意戦法の定跡の全てを覚えられるのであればそれに越したことはありませんが、仮に全てを覚えられなくても、戦法の骨子を理解することで、実戦で自力で確からしい手を見つけられたり、相手にどのように変化されたとしても対応できるようになり、それがあるべき姿だと考えています。

では、角道クローズ四間飛車の骨子とは何か?名著 “四間飛車を指しこなす本” の1,2のまえがきにこのような話があります。

「四間飛車の極意を一言でいうと何でしょうか?」

ファンの質問に私はいつもこう答えています。

「相手の力を利用して、投げる、でしょうか」

この感覚を身につけ、四間飛車で勝つパターンを知る、これが四間飛車を指しこなす一番の近道です。

四間飛車を指しこなす本1 藤井猛 著

対居飛車穴熊の戦い方には、対急戦とは違った感覚が必要とされます。相手の力を利用して投げるのではなく、相手が力を出す前に技を掛ける、判定勝ちを狙うのではなく、最初から一本勝ち狙いでいく感覚です。

四間飛車を指しこなす本2 藤井猛 著

つまり、角道クローズ四間飛車の骨子は以下の通りです。(この骨子は、他の角道クローズ振り飛車、例えば角道クローズ三間飛車、にそのまま使えます。)

対急戦 →居飛車の攻めを待って、反撃=カウンター
対持久戦→居飛車が囲っている間に、積極的に動く=先攻

角道クローズ四間飛車のほぼ全ての定跡は、この骨子が前提となって創り上げられています。具体的な局面で話をすると、、、

対急戦の失敗例。居飛車が動く前に振り飛車自らが動いてしまっています。
ここから、7七角成 同銀 5三銀引 4七金 4四歩、、、と進み、この後駒組みが進むにつれて、振り飛車側の手が詰まる(有効な手がなくなる)将棋です。
ただし、高段者の更に上を目指すのであれば、あまり良くない指し方とわかった上で、敢えて指して、なぜ良くないのか体で理解するのが重要だとも考えています。

これが対急戦のあるべき戦い方です。居飛車が攻めて技をかけにきた瞬間にカウンターで動き返します。
ここから、7七角成 同飛 5三銀 6七銀 7七飛成 同桂で居飛車の攻めの力を利用して、振り飛車は飛角を捌きます。(重要なのは、居飛車の攻めの力を利用せず、振り飛車が自分だけの力で飛角を捌こうとしても上手く捌けません。)

対持久戦の失敗例。対急戦のように居飛車の攻めを待つと、振り飛車よりも居飛車の囲いが固くなり、勝ちにくい将棋(俗に言う固さ負け)になってしまいます。
これも、急戦の失敗例と同じく、自身で実験してみてなぜダメなのか、どのくらい不利なのか、体で理解するとより良いと思います。

これが対持久戦のあるべき戦い方です。このように居飛車の囲いが完成する前に何か動きを見せるのが重要です。
これはあくまで動き方の一例で、この他にも様々な動き方があります。


と、ここまで書いて、この先を書くと長そうなので(笑)、続きは来週です。

どの戦法にも骨子があり、自分の得意戦法の骨子を把握してほしいと思っています。しかし、残念ながら、骨子の説明が不十分だったり、手順の羅列のみで、その考え方が書いていない情報源が多いのが現実です。もしわからなければ、教室などで質問してほしいと思っています。

次回以降、2.ストーリーで変化を押さえる3.実戦例と紐づける、、、と続いていく予定です。