最近のブログは抽象的な話ばかりで、パンチ力に欠ける、という指摘をもらったので、今回は学習法について具体的に、かつ、マニアックに書きたいと思います。
将棋学習で押さえるべきポイント
詰将棋練習法
一般的な学習法については、上記の通りこれまで何度も書いてきたので、今回は私の学習法についてご紹介します。
脳内詰将棋
Tweetしているのでご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、5月中旬から1万歩のウォーキングを日課にしています。時間に換算すると1.5時間程度かかりますが、その時間を有効活用できないかと考え、脳内詰将棋を始めました。今は若島正さんの名著「盤上のフロンティア」を解いています。
私自身で勝手に決めたルールを紹介すると…
・ウォーキング前に、問題を撮影しスマホに写真を残しておく(解答は撮影しない)
・歩きながら解答する1問を10秒程度眺め、盤面を記憶する(1度で盤面を記憶する覚悟で、それ以降は写真を絶対に見ない)
・解けるまで考え続ける(解けなかったら翌日以降に再挑戦)
・「解ける」の定義は、正解(らしき)手順を見つけるだけでなく、変化、紛れなど自身が可能な限りあらゆる視点で考え、その1問をしっかり理解できたと自信を持って言える状態
・解けたと自信を持って言える状態になったら、帰宅後に解答を確認する
この練習法の目的は以下の通りです。
・一般的には40代になると脳内将棋盤がぼやけてくると言われており、出来る限りクリアな状態にしたい、むしろクリアに考えられる手の深さ、広さを広げていきたい(なので、手数がある程度長く、駒が入り組んでいる「盤上のフロンティア」は最適)
・何をどのくらい考えれば、十分に考えたと言えるのか、の感覚を保ちたい
この話をこどもの将棋に応用すると、藤井聡太七冠を輩出したふみもと将棋教室に、口頭で玉方、攻め方、持ち駒を伝えて脳内だけで詰将棋を解く、という練習メニューがあります。難易度は高めですが、脳内将棋盤を作るという意味で、有効な練習法だと思います。
アウトプット学習&差分抽出
次は必ず力が付くと思っている学習法をご紹介します。
棋譜、将棋世界、定跡書など何でも構いませんが、次の一手のようなわかりやすい正解が存在しない局面を選び、5~10分間目を閉じて考え(ここでも脳内将棋盤)、読み、形勢判断、次の一手、つまり指将棋で必要な要素を全て考えた上で、解説やプロ棋士が指した手を確認し、自分の考えと差分を取り、その原因を徹底的に追求し改善していくという学習法です。
現代であれば、自身の対局でわからなかった局面、正しい手を指せなかったと思った局面を5~10分考え直した上で、AIの示す手、評価値との差分を取るという感じでしょうか。
ポイントは、インプットではなく、アウトプットから入ること、ファーストオピニオンは自分の考えで、セカンドオピニオンがプロ棋士が指した手やAIの示す手と評価値、定跡書の模範例です。
読みや形勢判断、定跡や手筋などの基本的なスキルが身に付いていることが前提で、高段者以上向けの勉強法ですが、確実に力が付くことは間違いありません。
余談ですが、昔蒲田将棋クラブに研究会で伺った時、当時10代だった現タイトルホルダーがある定跡書を読んでおり、数ページ進んでは5分ほど目を閉じ、また数ページ進んでは5分ほど目を閉じ…という行為を繰り返していました。定跡、棋譜の1つ1つにその検証を重ねていくのには膨大な労力を要し、震えが来ました。とても真似は出来ませんが、そりゃ上手になりますね。
かなりマニアックな話だったかもしれませんが…My将棋学習法のご紹介でした。