インフレ時代の将棋学習法シリーズ。初回は、この環境を”こども自身の頭で考える好機”と捉えよう!という話をしました。
今回は、ほぼお金がかからず、かつ、最も学習効果の高いと考える取り組み方について書きたいと思います。
それは「親子での取り組み」です。
-親がサポートして詰将棋や必至、囲い崩しの問題を解く
-親が音読して定跡書などの本を一緒に読む
-道場や大会、オンラインでの対局の後に、親が聞き役になり、こどもが上手くいった点、改善すべき点を口に出す
-親子で一緒に目標を立てる
このような取り組み方をしている子は、伸びているケースが多いとこの教室の運営を通して感じています。
その理由を私なりに考えると…
-物事の上達には、必要とされる事象の理解が必須ですが、こども自身で頭を整理できるのは(どんなに優秀な子であっても)稀で、共に過ごす時間が最も長い親のフォローが欠かせないのではないか
-将棋の学習は孤独で、誰かのサポートがあって、より前向きに取り組めるのではないか
が思い浮かびます。
親がこどもの話を聞くにあたり、将棋の知識はほぼ不要です。こどもに少し話してもらえば、本当にその事象を理解できているのか、頭を整理できているのか、について、(将棋を知らなくても)大人であればすぐにわかります。
さらに、親がフォローするに当たって気を付けるべきことは、結果に一喜一憂せず、勝敗に言及しない、特に負けたことを咎めないことだと考えています。
これまで何度も記載した通り、勝敗は、相手と自分のパフォーマンスの差によって生まれるもので、自分のパフォーマンスがどれだけ良くても、相手のパフォーマンスがそれを上回れば負けてしまいます。つまり、勝敗は自身ではコントロールできません。
勝敗に焦点が当たりがちなエネルギーを自身でコントロール可能なプロセスに振り向けましょう。将棋は運が絡まないゲームなので、プロセスがしっかりして力が付きさえすれば、自然に結果はついてきます。
将棋学習で押さえるべきポイントで記載の通り、将棋の上達には、課題解決のループを回すことが必須です。
しかし、将棋の先生に出来ることは、課題を抽出して、あるべき方向性を示すことくらいしかありません。
お金を積んでいくら先生に習ったとしても、自身(親子)の努力でその課題に取り組まなければ何も解決しませんし、ほとんどの場合で、(目的を持って指すことが前提で) 同じくらいの相手との10局の方が、先生との指導対局1局よりも、学習効果が高いです。
親子での取り組みと教室、指導対局のバランスを上手く取り、学習効果を高めてほしい、そう考えています。