まずは1つの戦法を極めよう

将棋を始めて初心者を卒業して初級者になると、戦法選択という問題に必ずぶち当たります。

将棋の戦法は、大きく分けて居飛車と振飛車の2つ。細かく分けると、居飛車の矢倉、角換わり、相掛かり、横歩取り、、、振飛車の中飛車、四間飛車、三間飛車、向飛車、、、などがあります。

多くの入門書にはこれらの戦法がまんべんなく並んでおり、どの戦法を勉強すればよいのかわからない方も多いのではないでしょうか。

これには正解はありませんが(もちろん、好きな戦法を勉強して使えばよいという考え方もあり)、私は以下の2点を踏まえて選ぶのが良いと思っています。

・将棋の基本である「数の攻め」「攻めは飛角銀桂、守りは金銀三枚」が身に付くこと
・出現可能性が高い、つまり、相手がどのような形で来ても自分が勉強した形になること

2つ目を補足すると、将棋には角道を止める振り飛車など相手の同意なしで指せる戦法と、横歩取りなど相手の同意がないと指せない戦法があります。せっかく勉強するのであれば、実戦で出現する可能性の高い前者を選びたいもの。しかし、この視点はほとんどの本に書いておらず自身で振り分けなければいけません。

上記の2点を満たす代表的な戦法は、「棒銀(居飛車)」または「角道を止める四間飛車(振飛車)」です。「棒銀」は、数の攻めという最もわかりやすい基本の攻め方が身に付く戦法で、矢倉、角換わり、相掛かり、対振り飛車の全てに使えます。また「角道を止める四間飛車」は、攻めは飛角銀桂、守りは金銀三枚で構成されており、相手の作戦によらず自分の形にできる戦法です。

そして、おススメしたいのは、1つの戦法に絞ってその戦法を極める事。勉強の労力を最小化するという意味でも、上達を加速させるという意味でも特定の戦法に特化した方がよいと考えています。まずは、棒銀か四間飛車のどちらかを選んで、勉強したことを実戦で試しながら上達していきましょう。

さらに、戦法選択は上級者や有段者にとってもとても重要な問題です。このレベルになると、大会で勝ちたいという思いが芽生えてくると思いますが、そこで考えなければならないのが、相手がどの作戦で来ても必ず自分の準備した形になるような戦法の組み合わせ方です。

ここでは、棋風とマッチした戦法を選んでいるか、組み合わせた戦法に相関性があるか(戦法の特性が似ていれば序盤の勉強を効率化でき、その分、勝敗決定要素である終盤の勉強に時間を割ける)などの視点が必要になります。これが良いという一般論はなく、個別最適しかありません。

簡単に書きましたが、戦法選択はとても奥の深い問題です。上手く選択して上達につなげていただきたいですね。