なぜ詰将棋講座を開催するのか?

既にご案内した通り、7/13(土)に青山にて第2回詰将棋講座を開催します。講師は詰将棋作家の若島正さん。いわずと知れた詰将棋界の第一人者です。

詰将棋だけをテーマに4時間の講座をするのは私の教室くらいだと思います。他にはないこのような催しを企画するのは、詰将棋が指将棋の棋力向上に必ず生きるから、というシンプルな理由です。そこで今回は、詰将棋を解くことや創ることがどのように指将棋に生きると考えているのかを書きたいと思います。

—-

まず、指将棋の棋力向上のためには何が必要でしょうか?私は、「読みの力」と「狙っている筋の質の高さ」だと考えています。将棋の基礎である読み、大局観、形勢判断のうち、小学生が鍛えるべきは読み。そして、狙っている筋の質の高さが伸びしろに直結する。(筋とは、駒が躍動するスイッチのようなもので、スイッチを押す=筋の手を指すと駒が勝手に働きます。)これは以前ブログに書いた通りです。

【ご参考】
将棋の基礎とは何か?

大切なのは棋力よりも伸びしろ

詰将棋を解くのは、この「読み」と「筋」両方の力を身に付ける最も効果的な勉強法です。事実、私の教室ではいつも詰将棋を一斉に解く時間を設けていますが、詰将棋の解答力と指将棋の棋力には高い相関関係があります。

また、この1年半、様々な大会に顔を出し小中学生の将棋を見てわかったのが、小中学生の棋力は、敵玉を捕まえる力とほぼ同じであること。その敵玉を捕まえる力を因数分解していくと、大きな要素の1つに「逆算」する力があります。逆算とは、見通しの立たない難しい終盤戦で、敵玉がこんな風に捕まる、こういう攻めと受けの流れが勝ちにつながる、など、大まかなストーリーを描き、そのストーリーに基いて手順を組み立てていくプロセスのことです。

この頭の使い方は、詰将棋を創るプロセスと非常に似ています。最初に詰み形、収束を描いて、そこからストーリーと手順を組み立てていく。谷川浩司九段や藤井聡太七段など詰将棋の創作が得意なプロ棋士は、この逆算する力がずば抜けていると思っています。

—-

指す将の皆さん、棋力向上のために詰将棋に取り組みましょう。そして、7/13(土)は絶対に他にはない話を聞けるのでとても楽しみです。私も受講生の1人として勉強したいと思います。