人事を尽くして、信じる

教室を始めて5年目、特に今年はたくさんの実績を残すことが出来ました。まだ今年は終わっていませんが…来年以降も継続できるよう精進したいです。

今回は、指導者として大切にしている気持ちの持ち方について書きたいと思います。


それが、「人事を尽くして、信じる」です。

人事を尽くすとは、自身の力で出来ることを全力でする、という意味です。

こどもに将棋を教えるという仕事を考えると…
・受講生の個々の特徴、課題
・こども将棋界の状況、動向
・将棋の技術
・勝負の勝ち方、負け方
・子育て、親子関係

の理解は必須だと考えています(決して100点満点だとは言えませんので、日々精進です…)。そして、その知識で論理的に解を導き、オンライン勉強会のテーマ選定や、オンライン対局での課題発見に活かしています。特に個々の課題に関しては、可能な限り悲観的になって、感情を排除してロジックのみで考え、あらゆるリスクを洗い出した上で提示しているつもりです。

しかし、40年間生きてきてそれをそのままロジックで伝えても人は動かないことを学んだので、受講生親子に真に伝えられるのは、情熱しかないと考えています。将棋を好きになりやる気さえあれば、技術は必ず後から勝手についてくるので。

なので、人事を尽くすとは、こちらが全力で取り組む姿を見せて情熱を伝えること、その上で、それに将棋の技術や個々の課題をそえて提示すること、です。

次に、信じる、について、

指導者という仕事の難しいところは、最後は自身が手を動かせず、受講生に委ねることしかできない点にあると考えています。実際、大会になって自分がどれだけ頑張っても意味がなく、むしろ逆効果の可能性すらあります。思考は現実化する、が私の考えで、本番の最中に負けるかもしれないという考えを持っていては絶対に勝てません。

なので、信じるとは、可能な限り楽観的になって受講生が力を出し切ってくれるのを待つこと、です。


話を整理すると

指導者に求められるのは、誰よりも冷静に、悲観的になって可能な限りリスクをつぶして受講生に技術を高めてもらい、最後は、誰よりも楽観的になって果実が得られるのを信じて待つ、という正反対の気持ちの使い分けだと考えています。

これからも将棋を教えることを少しでも上手くなれるよう頑張ります!