1局1局を大切に

早いもので将棋の世界に身を置いて間もなく30年になります。その間、プロ、奨励会員、アマ問わずたくさんの方と出会い、対局する機会がありました。

それぞれの棋風や能力は十人十色ですが、最終的に上手になる人に共通していることがあると感じています。それは、1つ1つを丁寧に扱う姿勢です。

詰将棋や寄せ、囲い崩し、次の一手の問題を1問1問、対局を1局1局、さらに1手1手に大切に扱い、丁寧に取り組み、そこからどれだけ学べるかが成長を左右します。

それを最も感じたのは、20代中盤で現タイトルホルダーと対局する機会をいただいた時でした。当時、彼は10代中盤の奨励会初段で1局目はこちらの快勝。それから、定期的に教わることになりましたが、2局目以降はどうやっても(どうあがいても…)相手の準備や思考を上回ることが出来ませんでした。それは、将棋に携わって初めての経験で、プロの世界でトップになるのはこのような人だと直感でわかったことを覚えています。

(プロになることが全てではありませんし、全く勧めていませんが…)

日々の取り組みの1局1局、1問1問、1手1手を丁寧に扱ってほしいと思っています。それが出来れば、必ず上達し、将棋でいい思いを出来る可能性は高まりますし、将来、将棋から離れて何をするにしても必ず活きるはずです。

現代は、いつでも対局でき、良質なサービスや書籍がたくさんあり、いつでも学ぶことができます。その副作用で、1局、1問、1手のありがたみが薄れていると感じることが最近何度かあり、当たり前のことと思いつつ、今回ブログに書きました。