この教室では、将棋会館道場、将棋ウォーズの段級や将棋倶楽部24のレーティングでクラス分けをしています。
最近、規定の成績を満たしてオンライン勉強会のクラスが上がった子が何人か出ました。受講生の段級やレーティングを全て把握しているわけではありませんが、もう少しで規定を満たす子が何人かいるとも思っています。
そこで今回は、クラスが上がった時の考え方について、書きたいと思います。(そのまま、段級やレーティング、研修会のクラスが上がった時の話と置き換えれるはずです。)
「クラスが上がるとより難しいことが学べる」
と思っていらっしゃる方がいるかもしれませんが、残念ながらこの教室はそうではありません。
「クラスが上がると基本的な内容のより深い理解を問う」
がこの教室のスタンスです。1か月半前にブログに書いた通り、より上に行けばいくほど基本の習熟度が問われる、と考えているからです。
なので、クラスが上がったとしても、基本の練習を継続して行っていただきたいと思っています。
詰将棋で言えば、詰将棋ハンドブックの3、5手詰が既定の時間でスラスラ解けるようになった場合、日々の詰将棋の時間の全てを7手詰に投下するのではなく、基本の3、5手詰の練習も継続して行っていただきたいと思っています。(一般的に、こどもはよほどやり込まないと、やらなくなってしばらくすると忘れます。)
例えば、1日10分詰将棋に時間を確保できる場合、前半の3~5分を既に出来るようになった3、5手詰、後半の5~7分を新たなチャレンジの7手詰に使うのがおススメです。
さらに、前半3~5分をこれまでと同じように解くのではなく、本を逆さまにして解いたり、なぜ他の手では詰まないのかを考えてみたり、(ここまでくるとマニアックすぎますが) なぜその駒の配置になっているのかを考えてみたりする、つまり少しずつ取り組みを深めていくことができると確実に力が付きます。
これは定跡にも同じことが言え、得意戦法の定跡を覚えるという第一段階をクリアした後には、他の手を考えて定跡と比較してみたり、指しこなすコツ(戦い方の方向性)を自分で考えてみたり、実戦例と紐付けたり、すると習熟度が格段に高まるはずです。
難しい内容に取り組むと学んだという気持ちになり、特に受講生の親の満足度が高くなる傾向にある気がしていますが、基本の理解が浅い状態で高度な内容を学んでも良い方向に進む可能性は低いと考えています。(学校の勉強に話を置き換えるとわかりやすいはずです。)
この教室では、受講生親子の受けが多少悪くても(笑) 学習効果が高まると信じる、基本の習熟、を目指していきたいですし、クラスが上がった子もそうであってほしいと願っています。