やったこと、調べたこと、教わったこと

今回は、日々教室を運営する中で感じている「やったこと」「調べたこと」「教わったこと」の違いについて書きたいと思います。

やったこと :実体験、将棋で言えば対局を通じて得られる学び
調べたこと :自主学習、将棋で言えば定跡書を読み、棋譜を見て得られる学び
教わったこと:他人の話、将棋で言えば先生などから聞いて得られる学び

これら3つには、全て何らかの学びがあります。そして、こどもにとっては

・同じ内容を学ぶのであれば学ぶ経路が違っても学びの大きさに違いはない
・先生の言うことが正しく価値がある

と思う子が多いかもしれませんが、実際には学びの大きさに違いがあります。

初学者(初心者、級位者)のうちは、最低限理解すべきことを知る時期なので、調べたこと、教わったことに価値がありますが、有段者になると、

やったこと > 調べたこと > 教わったこと

この順で学びが大きいと考えています。つまり、先生が言ったことよりも自分で調べたこと、自分で調べたことよりも自分でやってみたこと、の方が何倍も重要です。

例えば、羽生の頭脳や最新の戦術書に載っているある定跡があるとして…

受動的に先生から聞いて理解するのと、能動的に自分で調べて理解するのとでは学びに大きな差が生まれます。先生がその定跡で自身が知りたいポイントを話してくれる保証はどこにもありません。目的意識を持って自身から学ぶと、身に付き方が違います。

そして、自分で調べて理解した机上の学びと、対局を通して得られた実体験の学びにも大きな差があります。実際やってみて、机上で学んだことが機能するかどうか初めてわかります。戦術書で優勢と書かれていたとしても、その指し方が自身の特性に合致しておりその後勝ち切れるのかは別問題です。

(最初は難しいと思いますが…)有段者になってから少しずつ身に付けてほしいのは、自身で学ぶ姿勢です。

・できる限り自身で調べる、そして失敗を恐れず実戦でどんどんやってみる
・それでもわからなかったら先生など第三者に聞いて教わる

このような姿勢が備われば、将棋に限らずどんな物事でもどこまででも上手になれるはずです。