“考える”とは何か? ②解釈する

”考える”とは何か?シリーズ、第1回から時間が空いてしまいました。第1回の①比較するはコチラ↓。



第2回は、解釈する、です。

対局するにしても、定跡や手筋などを学習するにしても、単に指すだけ、単に暗記するだけではなく、そこから何が分かったか、ポイントは何なのか、と考えるプロセスが加わると上達が加速します。そこで必要となるのが、解釈する力です。

以下は、美濃崩しの手筋の問題です。

(1)▲6二銀 △同金 ▲7一角
(2)▲6二香 △7一金 ▲5三角
(3)▲5三歩 △6二金寄 ▲5一銀 △5三金 ▲6二銀不成

囲い崩しを学んだことがあれば必修手筋であることはすぐにわかります。
ですが、ここでは正解手順だけで終わらせず、これら3つの手筋に共通する要素を考えると…

・横から攻める
・守りの金を攻める
・守りの銀は攻めない
・いきなり王手はしない(できない)

これらが3つの問題、手順からの解釈で、一言でまとめると「寄せは金取り」です。

次に、別の美濃崩しの手筋の問題を見ていきます。

(4)▲9五歩 △同歩 ▲9二歩 △同香 ▲9三歩 △同香 ▲9四歩 △同香 ▲8六桂
(5)▲8六桂 (次に▲7四桂打以下の詰めろ)
(6)▲5五角 (詰めろ飛車取り)

同じくこれら3つの手筋に共通する要素を考えると…

・横ではなく縦やナナメから攻める
・守りの金銀を働かせない
・美濃囲いは桂に弱い

上記がこれら3つの問題、手順からの解釈で、一言でまとめると「金銀に触らず寄せる」です。

ここまでくると、
・美濃崩しで「金取り」「金銀には触らない」の他のパターンの寄せ方はあるか?
・他の囲い崩しでも「金取り」「金銀には触らない」は共通しているのか?
など、どんどん考えが発展していきます。
つまり、解釈が出来れば、学びが自然に深まっていき、棋力向上につながることは間違いありません。


低学年や初段くらいまでのうちは、反復練習による暗記=パターン認識で、上記のようなポイントやコツを感覚的につかむのがよい(…と言うより、年齢や棋力からまだ言語化は難しく感覚的にしかつかめない)と考えていますが、

高学年以上や高段者になったら、対局して棋譜を残した時、何かを学んだ時、何か興味深い対象と出会った時に、そこから何が分かったのか、そのポイントは何なのか、を考える習慣を作ってほしい、そうすれば上達するスピードが格段に上がるはずです!

“考える”とは何か?シリーズ。次回は、③分解する、の予定です。