身に付けたい習慣3選

こどもの将棋を見ていると、能力以上に習慣によって棋力が決まると感じています。もちろん能力に個人差はありますが、棋力に影響を与える決定的な要素ではなく、習慣による影響の方がはるかに大きいと考えています。

そこで、身に付けていただきたい習慣を3つご紹介します。



真っすぐ背筋を伸ばして座り、盤全体を見下ろす


盤全体を正しく把握するために、真っすぐ、背筋を伸ばして座ることを1局を通して出来ると、それだけで棋力が何段階も変わります。将棋は81マスの盤面と40枚の駒の配置で次の一手が決まる=駒の位置が1つ変わるだけで正しい手が変わるので、盤面全体を認識することが重要です。ナナメ座りや猫背だと盤の一部分しか視界に入らず、正しく局面を認識できず、いい手を指すのは難しいです。


学校の授業中や食事中に真っすぐ背筋を伸ばして座れる子は棋力が伸びやすいと考えています。


確認して一手一手丁寧に指す


どんなに頭の回転が早く、賢い子でも人間である以上考えに誤りがないということは絶対にありません。どんな強者でも見落とし、読み間違いが必ずあります。自分が考えたことを確認する習慣を持てると、指し手の精度が格段に上がります。


ただし、確認はこどもにはとても難しい作業です。自分の考えが正しい、という前提で確認をしがちだからです。

この練習には、学校のテストで見直しをすることが有効だと考えています。上記の理由から、見直してもミスが見つからないことがあるはずで、そのような事象が生じることも含めての練習です。

答案用紙に一字一字丁寧に書くこと、例えば、この教室の詰将棋の宿題の解答用紙に符号を丁寧に書くこと(字の上手、下手は関係ない)も一手一手丁寧に指すことと相関性が高いと感じています。

変化を楽しむ

上達すると、それまでとは異なるより高度な課題が現れるのが将棋を指す面白さの1つだと考えています。その時、それまで上手くいっていた戦法や指し方、取り組み方を変えることを求められることもあります。変化をすると、当然上手くいかない時もありますが、それを含めて楽しんで取り組めると継続しやすいです。

この教室の4部くらいの棋力になると、自分の好み以外の戦法、指し方を学ぶことが求められる場合もあります。人間誰もが思考の癖があり、好みではない/不得意な/やったことのない戦法や指し方に取り組むことが求められますが、その中にも楽しさを見つけて取り組んでほしいと思っています。



日頃の取り組みの参考になれば幸いです。