大横綱双葉山生誕の地

祖母と母に会いに、5年ぶりに九州を訪れています。

ここ大分県宇佐市は、大横綱双葉山生誕の地です。双葉山は未だ破られていない69連勝の記録を持つ名力士で、その常勝っぷりは、木村義雄十四世名人とともに戦前の象徴とされていたようです。その双葉山関の生家と資料館が祖母の家から徒歩圏内にあります。今回は、そこで紹介されている言葉をご紹介します。


稽古は本場所のごとく、本場所は稽古のごとく

現役引退後、親方として弟子たちに解いていた言葉です。

「練習で120%の力で振れ。そうすれば試合は80%の力でいい。」
ホームラン王である王貞治さんのこの言葉に似ています。練習は、自身をより高めるために少しずつ限界値を引き上げていく場、本番は、練習で出来たことを実践する場、という考え方だと思われます。

目標の克服

人間はだれしも、「目標」をもつものです。
(中略)
(目標を)「追越そう」とする努力は、かならずしもそんなにむつかしくないのですが、逆に「追越されまい」とする努力は容易ならぬものです。
(中略)
いったん追付き、追越してしまうと、なんとなく心寂しい、もの足らぬ気持ちにおそわれる。しかもそこへもってきて、「追越されまい」とする地味な努力が持続されなければならないのです。

望む結果を手にした後にモチベーションを保つ難しさを表しています。
人間誰しも目標を達成した後は気持ちが緩みがちなのと、世の中には上には上がいるので、常に視座の高さを更新し続けるのがよいと考えています。

われ未だ木鶏(もっけい)たりえず

約3年に渡り勝ち続け、70連勝をかけてのぞんだ一番で黒星を喫した時の言葉です。「木鶏」とは、中国の故事に由来する言葉で、木彫りの鶏のように全く動じることのない最強の状態にある闘鶏を指しています。双葉山でさえ、自身の心身の状態をコントロールするのが難しいことを感じます。
心身の調子は水物なので、その日の状態と上手く付き合うしかないと考えています。(こどもにはなかなか難しいですが…)


技術と心の持ち方や考え方がかみ合って初めていいパフォーマンスを出せます。その点で、先人の言葉、考え方を学び、実践するのは有益です。