基本と言えるレベル

「息子さんにピアノをさせますか?」
「そうですね!基本くらいは身に付けさせたいと思っています。」
「基本とはどのくらいのレベルですか?」
「ソナチネですね!ソナチネが弾ければ、自分で楽譜を読んでピアノを弾けるようになるので。」

息子(小4)と娘(小3)のピアノの先生がご懐妊され、間もなく産休に入るので質問をしたらこのような回答がありました。

ソナチネは、始めるまでに数年、終わるまでにさらに数年が一般的なスピードという認識で、予想以上に高いレベルの答えが返ってきました。この回答を聞いて、この先生に自分のこどもを預けて本当に良かったと思いました。

現代では、たくさんの選択肢があり一つの物事に集中するのが難しくなっている、さらに、自己肯定感を高めるために目指すレベルを低く設定する、という傾向があると感じています。そんな傾向から広く浅く物事に取り組むという考え方も一理あるとは思いますが、ある程度根詰めて一つの物事に取り組まなければわからないことがある、そんな取り組み方を経験すれば、将来何に取り組んでも必ず活きる、と思っています。

そして、私が考える将棋の基本が身に付いたと言えるレベルは、東京と大阪の将棋会館道場の初段です。東京、大阪の近郊にお住まいでなければ、将棋倶楽部24の1,500点を目指していただきたいです。その段位、レーティングになるためには、定跡や手筋の理解、豊富な実戦経験、対局を次に活かす習慣、など指す将のスキルを一通り必要とされ、クリアできれば胸を張って有段者と言えます。

決して低いレベルではなく、途中で何度も壁に当たりくじけそうになるかもしれません。それでも到達した時の達成感や得られる学びの大きさは間違いありません。頑張ってほしいですね。