棋力の最高値と最低値

「1年でどれか1つの全国大会で優勝してタイトルを獲る」

10代~20代でプレイヤーとして将棋に取り組んでいた時、このような目標設定をしていました。

優勝するためには、1日もしくは2日間の短期間に勝ちを集めなければいけません。そのためには、大会当日に調子を合わせる必要がありますが、調子は気まぐれなものでコントロールは難しく… どの日に本調子になるかはわからず、いくつか大会がある中でどれか1つには調子が合うはず! と考えていました。

ここで求められるのは、棋力の最大値をいかに高めるか、で、いかにピークを合わせるかがポイントです。

それから時は流れ…

「常に(顧客が求める)一定レベル以上のサービスを提供する」

今、この教室を運営する中で、このような目標設定をしています。

将棋教室は、1度だけではなく、継続的にご参加いただくことで初めて価値が生まれます。そのためには、常に求められるレベル以上の将棋を指す必要があり、これは、大会のために調子を合わせるのとは全く異なります。

ここで求められるのは、棋力の最低値をいかに高く保つか、で、毎日を丁寧に過ごしていかに自身を安定させるかがポイントです。


(私は研修会に所属したことはありませんが…)
この違いは、大会で勝つのと、研修会で結果を残すのと、の違いと似ていると考えています。

大会は1日完結型で、その日にピークを合わせて、いかにうまく勝つか。
研修会は積み上げ型で、常に一定レベル以上を保ち、いかにうまく負けるか。

将棋を指すという営みには変わりはありませんが、求められるスキルが異なります。研修会員の子は、こんな視点を持って取り組むと面白いと思います。