覚悟

大変ありがたいことに、この教室は能力が高い子にたくさんご参加いただいています。さらに、年初に今年の目標をヒアリングした時、多くの子が大きな志を持ち、心強く思いました。しかし、批判を承知で書くと、覚悟を持って取り組んでいる子は少ない気がしています。

(ゆるく取り組むのももちろん選択肢の1つですが、もし何かを得たいのであれば一生懸命やりましょう!)

そんな事を考えながら本棚で目に留まったのが幕末の思想家、吉田松陰の言葉を集めた「覚悟の磨き方」でした。その中で、参考になりそうな言葉をご紹介します。


不安のない生き方

「先行きの不安」に心を奪われないようにするためには、あれこれ目移りすることなく、自分と言う人間を鍛えることに集中して、
「全力を出し切りますので、あとは天命におまかせします」
という心構えでいるのが、良いと思います。

非凡にとっての普通

自分はそこらへんの連中とは違う。そんな風に考えている人こそ、まさに「平凡」だと思います。
平凡か、非凡か、なんてどうでもいいことなんです。ただなにかを真剣に追いかけてさえいれば、いつか自然と「非凡な人」になっていることでしょう。

不器用の利点

すらすらと、うまくいったとしてもあまり意味がありません。うまくいっても、なぜうまくいったのか、人はすぐに忘れてしまうものだからです。
覚えが悪い方がよっぽどいい。身体にしみ込むまで、くり返し努力できますから。

壁を楽しめるかどうか

生まれつき才能をもった人はたくさんいます。子どもの頃は、その才能が自然に輝いています。ですが、その才能を磨き続けられる人は本当に少ないのです。
多くの人が
「才能さえあれば、途中で行き詰まることはないだろう」
と勘違いするからです。
才能はあったとしても、なかったとしても、行き詰まるものです。ただ行き詰まったときに、「面白い」と思えるかどうかによって、そのあとが決まってくるのです。

我流でやらない

過去のやり方なんて、どうでもいいですか。
独自の考え方で。いけるところまでいきますか。
先人のたどった道筋を参考にしないなんて、どれだけ遠回りする気なんですか。

勝因はどこにあったか

才能、知識、人脈。それらはいくらあっても、最後の最後は役に立ちません。
地道なことを、どれだけ丁寧に積み重ねられるか。ただそれだけが、大きなことを成し遂げる基盤になるんです。

将棋を指すにしても、何をするにしても、何らかの事を成すためには、「実力+α」が必要で、上記のような”考え方”はそのαの中核だと考えています。行き詰まった時に、このような言葉に触れると、将棋だけでなく、人生にきっとプラスになるはずです!


いかに生きるかという志さえ立たせることができれば、人生そのものが学問に変わり、あとは生徒が勝手に学んでくれる

明治維新につながる松下村塾を創設した吉田松陰の教育者としての考えで、私にはこの言葉が最も印象に残りました。果てしない道のりですが、目線を上げて少しでもよい教室になるよう精進します。