「定期的に詰将棋ハンドブックシリーズを解くことに加えて、教室の宿題の詰将棋を解き直しています。」
4か月ぶりに開催したリアル教室で、この1年間で詰将棋の解答力が劇的に伸びた子に練習方法について質問したところ、このような答えが返ってきました。宿題の全10問を作るために、いつもその3~5倍の詰将棋を自分の頭で解いて、採用する問題を厳選しています。私なりに頑張って作った宿題を、そのように活用してしていただき大変うれしかったです。
そして、この回答の中には、上達のヒントが詰まっているので掘り下げたいと思います。
学んだことの再確認
教室を始めてから、詰将棋ハンドブックを所定の時間(3手詰=10分、5手詰=15分、7手詰=20分以内)で解けるようになりましょう、とお伝えし続けてきました。繰り返し練習すれば、誰でも出来るようになります。ですが、出来るようになった後、詰将棋ハンドブックを解くのを止めたり、詰将棋の時間が以前よりも短くなる子は多い気がしています。
詰将棋は、スポーツで言えば、ランニング、筋トレに位置付けられ、出来れば毎日練習してほしいと思っています。その練習では、解いた問題の再確認と新たな問題の挑戦を混ぜるのが良いと思っています。例えば、1日10分詰将棋に時間を割けるのであれば、最初の3~5を詰将棋ハンドブック(短手数の一目で解ける問題)、残りを新しい問題(少し長い手数の少し考える必要のある問題)、のように練習すると学習効果が高まります。
宿題の振り返り、再挑戦
学校や塾のテストと同じように、宿題で解けなかった問題の再挑戦(例えば、解答を見る前に1問5分と決めて再び挑戦してみる)や、採点後の詰将棋並べ(解けなかった問題を盤に並べて確認してみる)をすると、1問に対して理解が深まります。さらに、半年後くらいにいつもと同じ条件で宿題に再挑戦すると、自身の成長を可視化できモチベーションの向上にもつながると思います。
また、これは詰将棋に限らず対局にも当てはまります。道場や大会、研修会など一生懸命指した対局の棋譜を残し、盤駒を使って並べてみれば、何かしら改善点に気づくはずです。さらに、その改善策をすぐに道場や大会、オンライン対局で試すことが出来れば、成長が加速します。
将棋を通して、このような取り組み方を習慣化してほしいと思っています。それが身につけば、勉強やスポーツなど他の物事にも応用が効き、いい事尽くめのはずです。