精神鍛錬

某中学校2019入試問題

少し前になりますが、息子(小5)が通っている塾のGWの宿題の1つは、算数の計算問題でした。上のようなわけのわからない…笑 問題を150題解いて、その計算過程と解答を記したノートをGW明けの開校日に持参せよ、という宿題でした。

なぜこんなに煩雑な計算をたくさんさせるんだろう?と見た瞬間は思いましたが、一緒に解いているとその目的がおぼろげながら見えてきました。

目的の1つは、早く正確に計算する、かつ、たくさん計算しても疲れないようにする、計算力&計算体力を身に付けること、だと思います。

もう1つは、どんなに煩雑で面倒な作業であってもくじけない心の強さを身に付けること、つまり精神鍛錬だと思います。(こんな問題を毎日15問くらいずつ解いていると、心の感覚がマヒしてきます…笑)


そしてこれは、将棋にも当てはまります。

定跡や手筋を身に付ける、詰将棋を解けるようなる、いわゆるスキルを磨くのはもちろん重要です。

しかし、どれだけスキルを磨いて、読みの力や定跡や手筋の知識を駆使しても、答えが出ない局面が存在します。これは、棋力が高まれば解決するという話ではなく、どんなに強い人であっても次の一手がわからない局面が必ずあります。

このブログの通り、将棋は自分の好手で勝ち、相手の好手で負かされるゲームではなく、自分の悪手で負け、相手の悪手で勝たせていただくゲームです。なので、答えが出る局面で最善手を指すこと以上に、答えが出ない局面で、最善手かどうかはわからないけれど、局面のバランスを保つそれなりの一手を指すことが重要です。

そして、その一手を指すのに必要なのは、精神的な強さです。

-考えても答えが出ない状態を嫌にならず、むしろ楽しむ
-自身の力では答えが出ないと知っていても、より良い一手を探そうと考えを深める

このような心の強さを育むという意味でも、詰将棋は有効だと考えています。

級位者は、詰将棋ハンドブック
初段前後は、例えば、詰将棋の達人/鉄人(詰将棋ハンドブックよりも少し難しめの詰将棋問題集)
高段者は、詰将棋パラダイス
※段級位は、将棋会館道場基準です。

一目では解けず、あーでもないこーでもないと考えなければ解けない問題や局面を繰り返し経験することで、心が磨かれていくものだと考えています。

どうしても技術に意識が向きがちですが、今回はそれと同じくらい重要な心の話でした。