勝敗決定要素

将棋をやって良かったことを挙げればキリがありませんが、その中の一つが、達成したい結果がある時、その結果を得るための”勝敗決定要素”を自分で考え、その要素を満たすよう取り組む習慣が身についたこと、だと思っています。

例えば、何かの将棋大会で優勝したいと思った時、優勝と優勝以外を分ける要素(例えば、将棋倶楽部24のレーティングX点以上、30秒の秒読みで合格点以上の手を指し続ける終盤力とメンタルの強さ、など)を考え、その要素を満たすための練習を実行すること、を厭わず出来るようになりました。

この将棋教室でも、将棋教室で期待されていることは何か、他の将棋教室との違いは何か、継続して価値を提供し続けるためにはどうすればよいか、などの運営についての”勝敗決定要素”、ビジネスで言えば付加価値と参入障壁からもたらされる”競争優位性”について常に考えてきたつもりです。

そのような中で手に取ったのが、先日Tweetした奥野一成さんの本で、いい機会なのでこの教室の「付加価値」と「参入障壁」について改めて考えてみました。

まず、将棋の技術力について考えてみましたが、インターネットやAIを自由に使える知の高速道路が敷かれた現代で、私くらいの棋力や知識を持つ方は一定数いますし、今後はこれまで以上に出てくるはずです。

次に、講義でお伝えする内容について考えてみましたが、オンライン勉強会で取り上げたり、リアル教室やオンライン対局でお話ししたりするのは、極めて基本的な内容で、これも一定の棋力があれば真似するのはそう難しくないと思っています。

様々な切り口で考えてみたところ、この将棋教室の「付加価値」と「参入障壁」は以下の2点ではないかと思います。

  1. 講師の将棋と将棋を教えることの好き度合い、そこから生じる教室の雰囲気の良さ
  2. 高い志を持つ将棋キッズが日本全国から集うコミュニティの層の厚さ

将棋を始めて25年が経ち、いろいろな方とお会いしましたが、将棋の好き度合いで負けたことはあまりないと自負していますし(笑) 将棋を教えることも、将棋を指すことと同じくらい本当に楽しいと思っています。昔ある方から「会社員に加えて教室を運営して疲れないんですか?」と質問を受けましたが、この教室の運営は呼吸と同じで、むしろ深呼吸に近いので疲れようがありません(笑)

また、昨年4月にオンライン勉強会をスタートして1年が経ちましたが、高い志を持つ将棋キッズが現時点で1都2府13県から集まり、素晴らしいコミュニティになったと思っています。これはたくさんの受講生が知人にこの教室を紹介していただいたお陰で、大変ありがたく思っております。

この2点は、受講生にとっていい刺激になりこの教室に参加したいと思うはずですし、他の教室が真似しようと思っても一朝一夕にはできないと考えており、この教室の「高い付加価値」と「高い参入障壁」だと胸を張って言えます。

受講生の将棋の”勝敗決定要素”を考えるのも、この教室の”競争優位性”を考えるのも、本当に楽しいです。この教室を長く続けていけるようこれからも精進します。