今日は、先ほど終局した第66期王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦、屋敷-藤井(聡)戦を振り返ってみます。
まずは何と言っても序盤で指された6二金!
この手は、もし教室で初段以上の子が指したら、真っ先に注意する類の手です(笑)
なぜなら
・7一銀(角)のキズを自ら作っている
・玉を囲う場所がなくなっている
・序盤早々、形を決めすぎている
ように見えるからです。
しかし、これが今の将棋の考え方に基づく一手なんですね。
(よい子は絶対に真似しない方が良いと断言できるけど。。。)
この手のメリットは、
・居玉で戦うのであれば一番安定した形になっている
・囲いよりも攻めの形の構築に力点を置いている
事です。
※なぜ今の将棋がこのような考え方になっているかについては、長くなるので別の機会に書きます。
少し進んでみると、先手が二歩を交換している間に後手が先攻することになりました。
後手にもかかわらず無理なく先攻できています。(本当に不思議!)
さらに進んで、6六歩と歩を取り込んだ局面ではかなり差がついています。
後手の攻め駒である飛、角、桂が先手の玉周辺を狙っているのに対して、
先手の攻め駒である飛、角、銀は後手の玉に対して全くプレッシャーをかけていないからです。
この後も全く淀みがない指し回しで完勝。
いつもながら強いとしか言いようがない勝ち方でした。