明日から8月です。
倉敷王将戦、小・中学生女子名人戦、文科杯、中学生選抜選手権、高校選手権、高校竜王戦の全国大会、さらに、駒姫名人戦や中学生王将戦、名古屋城こども王位戦などの大きな大会、そして奨励会入会試験も控えています。
そこで、今回は大一番で実力を出し切るために押さえるべきポイントについて書きます。
緊張と上手く付き合う
個々の性格にもよりますが、大きな対局を前にする時、緊張は避けられません。なので、緊張をなくすためにはどうすればよいのか、ではなく、緊張と上手く付き合うにはどうするべきか、を考えた方が現実的です。
こういう私も10代の頃は、実力を出し切れるか、結果を残せるか、の不安から、緊張で心臓がバクバクでした… 対局が開始し、目の前の将棋の中に入り込んでしまえば、心臓の鼓動が自然に収まっていきましたが、その後、ギリギリの終盤になると、心臓のバクバクが元に戻ってしまい、冷静に考えるには程遠い状態でした…
この経験から、(藤井聡太さんのように)対局開始時に水分を摂る、対局開始前に目を閉じてチェックポイントを確認してから対局を始める、のようなルーティンを持ち、将棋の中に入り込むきっかけを作るのは有効だと考えています。
内容に意識の焦点を当てる、結果は後からいただくもの
勝敗を分けるギリギリの終盤になると緊張してしまう原因は、結果を気にしすぎてしまうからだと考えています。
全国大会の決勝戦や大学の団体戦など大一番を何度か経験して、さらに、勝負事における勝つ人の考え方を私なりに学んでわかったのは、
・結果は相手とのパフォーマンスの差で決まるので、自身ではコントロールできない
・コントロールできるのは自身の内容のみ
・勝つ人は、自身の力を出し切ることのみに意識を集中させる
・結果はそれによって後から自然に得られるもの
というシンプルな法則でした。結果を恐れず、内容を高めること=自身の力を出し切ることに集中しましょう。
最後は自分が勝つ!という自信を持って盤の前に座る
これは、やるべきことをやった人にしか現れませんが、本当にやり切ると「最後は自分が勝つ!」という自信が心の奥底から湧き出ます。やるべきことは全てやったと胸を張って言えるよう、残りの時間を過ごしてほしいと思っています。
やり切ったのであれば、実力を出し切りさえすれば結果は自然に得られるので、結果をにせず、内容のみに集中できるはずです。
参加する皆さんが、実力を出し切り、納得できる将棋を指せるよう願っております。頑張りましょう!