考える将棋

最近、学業や塾などの勉強で将棋に十分に時間を割けないという声をよく聞きます。小学校高学年や中学生になって、勉強と将棋を両方頑張りたい!という子はとても多いという認識で、今回はそれに対する私の考えを書きたいと思います。


まず大前提として、勉強は将棋にプラスだと考えています。

私の息子も今年度から高学年になり、友達の誘いもあり塾に行くようになりました。その影響で、塾の宿題を解くことが最近良くありますが、将棋の棋力を上げるうえでプラスになる事ばかりだと感じています。

例えば、国語で、文章の意味、意図を読み解くという問題がありますが、定跡書などの目に見える一手ではなく、その背景にある変化や意味を推測するという頭の使い方と非常に似ていると感じています。また、算数で、単純な計算では解けず、問われている事を構造化しなければいけない問題がありますが、未知の局面を見た時に条件を整理してポイントが何なのかを察知する力と似ています。

次に、時間が限られているのであれば限られているなりの、将棋の設計の仕方、取り組み方があります。勝敗決定度の低い序盤にかける時間は最小限する。例えば、流行に左右されない戦型を選択したり、研究勝負で勝敗が決まる変化を避けたりするという戦い方が考えられます。そして、勝敗に最も影響する終盤の練習に注力する。こんな取り組み方が出来ると、限られた時間で効果を最大化できるはずです。


高学年や中学生になると将棋にかけられる時間がどんどん少なくなりますが、一方でこれまでよりも考えられる頭があります。制約のある状況で、考えて取り組み、考えて将棋を指す。このような賢さも実力のうちだと思います。