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— ぴよ将棋【公式】 (@STUDIOKPONTA) January 17, 2020
先日このような発表があり、Twitter上で話題になりました。その多くは、スムーズに棋譜解析ができないから困る、だったと認識しています。今回は、この話に密接に関係する”対局の振り返り”と”AIの活用”について、私の考えを書きたいと思います。(最近のブログのテーマになっている「伸びしろのある有段者」とも関わりが深い話です。)
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そもそも、対局の振り返りは何のためにするのでしょうか?もちろん、良かった点、悪かった点を明らかにして、次の対局に活かすためにです。
未来の対局に活かすために考えるべきは、振り返る「主体(誰が)」と「内容(何を)」です。ここでは話を発散させないために、まずは「主体」に絞って考えます。
振り返りの主体として、現代は以下の3つの方法があります。(この他、習っている先生など誰かに聞く、もありますが、教室や道場などに行く限られた時間にしかできないので候補から外しています。)
①自分自身で振り返る
②AIに振り返えらせる
③自分自身とAIが協力して振り返る
この2年間、たくさんの子(対局の振り返りが必要な棋力の子は40人ほど)と教室で対局したりお話しするなどして、振り返る方法を観察してきました。その経験からわかったのは、①が一番成長する、②はあまり効果がない、③は子供には難しく、効果は②と同じ程度、です。
①は、将棋への理解が浅い子供自身で振り返るので、一見非効率に見えます。何人かの子に振り返ったノートを見せてもらったり、振り返った内容を聞いたりすると、確かに、彼らの考えている事には、論点のズレも、誤りも、抜けもたくさんあります。しかし、それで全く問題ないんですね。たとえ、的外れの振り返りだったとしても、振り返りさえあれば、未来の対局でその考えを試すことができ、少しずつ改善、改良していけます。その試行錯誤を重ねていくうちに、振り返りだけでなく読みや手の質も高まり、気付けば大きく成長しています。
②は、AIが悪手と代わりの好手を示してくれるので、一見効率的に見えます。しかし、その手はその局面でしか使えず汎用性が低い上に、①と比較するとその好手に辿り着くまでの膨大なプロセスが抜け落ちており、浅い理解にとどまってしまう危険性があると考えています。
③は、プロ棋士やアマ強豪の多くが用いており、上手くできれば効果が最大化されると思います。しかし、自分自身の考えと、AIの考えを対比させる必要があり、一定以上の棋力とAIへの理解が欠かせません。子供の棋力でその対比は難しいと思いますし、AIが好手を提示してくれるので、その手を知った後に子供の思考は停止しがちになり、結局②と同じような結果になる事が多い気がします。
話をまとめると、子供の時は自分自身の頭で振り返るのが一番力がつきます。対局では、AIの力を借りず一人で考えて解決しなければなりません。苦しんでトコトン考えて振り返った経験を積んでおくのは、実戦で未知の局面に遭遇した時に道を切り開く力にもなります。
指す将を目指すのであれば、AIを使って振り返るのは一定以上の棋力になった後(アマチュアでいえば、一般大会の県代表以上のレベルになった後)でも遅くない、これが私の考えです。
次回はこの話の続きで、振り返る「内容」について書きたいと思います。