昔は時間重視で勉強していたんですけれど、ちょっと勉強の仕方を変えたっていうところもあります。あとはAIがすごく強くなっている社会で、自分の個性を出せる将棋をしたいなと考えた時、自由度の高い、勝敗に限らず、そういう将棋を指していきたいなというのが、結果的にはよくなっていたのかな、と思います。
これは、プロ編入試験の受験を決めた里見香奈女流四冠の記者会見で、「成績が上がっている要因は?」と質問を受けた時の回答です。
このコメントは、将棋を上達するTipsの宝庫だと感じましたので、私なりに掘り下げたいと思います。
まずは質より量
どんな物事に取り組んでも同じだと思いますが、一定の時間をかけて量をこなし、基礎を固めるのが第一歩です。基礎の習熟度でその後の伸びしろが決まりますし、学習の効率を考えるのは基礎が身に付いた後です。
勝負と自己実現の両立
将棋指しは、
-勝敗にこだわる”勝負師”
-棋理を追求する”求道者”
-自分の思いや考えを盤上に表現する”芸術家”
など、さまざまな顔を持っていると考えています。
どの顔の要素が強いかは十人十色で、自身の特徴を理解して、自分が心地よい戦い方をすることが上達や成績の安定につながります。
最近の棋譜を拝見し、この回答を聞くと、里見女流は”芸術家”の要素が強いと感じています。(終盤になると、”勝負師”に豹変するのですが…笑)
勝ちを引き寄せる個性
最近はAIによる研究が盛んで、AIを使っている親子がたくさんいらっしゃるとの認識ですが、ライバルが同じようにAIを使って研究し、やっていることはほぼ同じなので差がつかない、という事象がよく生じていると感じています。
勝敗が何から生じるかを改めて考えると、競争相手との違い(=差)です。(この話は、一言で書ききれないので改めてブログで書きます。)
そこで鍵となってくるのが(最低限のポイントを押さえた上での) 個性であり、個性が競争相手との差につながり、勝ちを引き寄せます。
将棋に限らずどんな世界でもトッププロの言葉は示唆に富み、言葉を拾って親子で考えてみるのはとても面白いと思います。ぜひ試してみてください!