「まだいただいた賞状が不釣り合いに感じる棋力ですが、頑張っていきます」
先日、ある受講生の保護者の方からこのようなメールを受け取りました。そのメールを読んだ時にぱっと思い浮かんだ勝負事における重要な考え方があるのでご紹介します。
それが、”結果が先、実力は後” です。
“実力が付けば(実力が付いた後に)、結果を得ることができる” 多くの人はそう考えていると認識しています。極めて正統派の考え方だと思いますが、勝負事で結果を残すのに適した考え方かどうか、疑問に思っています。
私がおススメしたいのは、”結果を残した後、肩書に見合う実力を身に付ける”というプロセスです。
なぜなら、その肩書を得て初めて見える景色が必ずあるからです。ライバルから研究されたり、得意戦法を避けられたり、エース戦法をぶつけられたり、、、相手が本気になって挑んでくるのは肩書があってこそですし、結果を残すといろいろな人とつながりを持つことができ、これまで聞いたこともないような話や考え方に触れることもできます。そのような環境が更なる成長を促しますが、それは実績を作らないと見えない景色なんですよね。
さて、実力が抜きんでていない中で何らかの結果を残すために必要なのは何か? 競争相手に負けない努力、これに尽きます。
-毎日継続する競争相手に負けない努力が自信というエンジンになり、その勢いで最初の結果を得る。
-結果を更なる自信に変えて、結果から得られる環境を利用して、実力が地位に追いつくように精進する。
-その頑張りを更なるエンジンにして、次の結果を得る。
最初は、どんな小さな結果でも構わないです。このプロセスを繰り返していけば、何も実績がない時には考えられないような遠くに辿り着ける、そう信じています。
「詰将棋の宿題の9番のXXがわからないので教えていただけませんか。」
冒頭のメールの5日前、同じ保護者の方からこんなメールを受け取りました。9番は複雑で高段者でないと正解手順を並べても理解できない問題で、その子の棋力とはまだ差がありますが、そのような中でもその問題に立ち向かっていこうとする姿勢が素晴らしいと思いました。
勝利の女神様は、そういう頑張りを見てくれている、と感じられた微笑ましい出来事でした。