高校生の時、全国大会を経験したり、将棋年鑑や将棋世界に掲載された大会の結果を眺めて、なぜ特定の人にこんなに勝ちが集まるんだろう? と不思議に思ったことがあります。競争相手と棋力の差はあっても紙一重で、将棋は全て勝つのは不可能なゲームのはずなのに…
それから数年間、特定のいつも優勝する人と対局し、会話し、対局を観戦みると、その他の人との違いがおぼろげながら見えてきました。
その数ある違いの1つが「技術を出し切る力」です。彼らは、
– 自分ができること/できないこと、強み/弱みを明確に理解している
– 相手ができること/できないこと、強み/弱みを鋭く感じ取る
誰もが強みと弱みを併せ持ち、自分の強みを相手の弱みにぶつけるのが戦略の基本です。彼らは常に考えながら戦い、自分の強み、できることが活きる局面に持っていくのが抜群に上手かったのです。
– どの戦法を使うのか
– 攻め/受け どちらの方針でいくのか、受けにしてもカウンターか、丁寧に面倒を見るか
– その指し方の方針に基づき、どの手を選択するのか
上記は将棋を指す時に考えることで、数学的なゲームなので盤上のロジックにも照らし合わせて考えるのはもちろんですが、それに加えて、自分と相手の双方の強み/弱み、も考慮に入れた上で次の一手を決める。ゆえに、極めて高い確率で自分の勝ちパターンの局面になる、
が彼らを観察した結論でした。
この考え方をこどもの将棋に応用するのはなかなか難しいですが、まずは自分のやりたいこと、強み、勝ちパターンを理解して将棋を指してほしいと思っています。それが出来る子は、自分の弱み、負けパターンまで理解して指せるとさらによく、相手にまで意識が及ぶのが理想です。
理解してほしいのは、技術を出し切る力、頭の使い方が存在すること、技術を出し切ることを含めての実力だということです。
日々の努力が成果に結びつくことを願っています。
技術を出し切る力
- 2024年10月27日
- 思考行動習慣