最近、何人かの方に、対局の時の心の持ち方についての質問を受けたり、お話しする機会がありました。一生懸命勉強して実力を向上するのも大切ですが、心を整えて本番で持っている力を十分に発揮するのもとても大切です。
そこで、私自身が意識しているポイントについてご紹介したいと思います。
1. 今と自分のみに意識を集中させる
大会になったり、大事な一番を迎えると緊張していつもの力を出せない事はよくあります。その原因の1つは、過度に負けることを恐れすぎたり、相手を恐れすぎたりして、勝敗(未来)や相手に意識が向きすぎている事だと考えています。勝敗は相対的に決まる、つまり自身がどんなによいアウトプットを出したとしても相手がそれを上回ったら結果は出ない、ため、自分自身の力だけではどうしようもありません。
また、悪手を指して後悔を引きずってその直後にさらなる悪手を指すのもよくあるパターンです。(アマのレベルであれば、1度くらいの悪手では勝敗は決まらないです。連続の悪手は致命傷になります。)
であるならば、勝敗や相手や過去は捨てて、コントロール可能な今の局面と自分のみに意識を集中する、もっと具体的に言えばその時の局面で自分の力で指せる最も良い手のみに集中するのがよいと考えています。(それしかやりようがない気がします。)
2. 当たり前の手を指すだけでいいと割り切る
いい手を指さなくてはいけないと自分にプレッシャーをかけてしまうのもよくあるケースです。
以前ブログに書いた通り、勝敗は好手ではなく悪手で決まります。勝つために、難解な読みが必要な難しい手や奇を衒った手は必要ありません。基本に忠実な当たり前の手を積み重ねていくのがとても大切です。
日々練習してきたことを、その通りに出せばいいという楽な気持ちで臨んでほしいと思います。そうすれば肩の力が抜けるはずです。
対局の時の心の持ち方は、個別解しかなく、自分自身と向き合って解決していかなければいけない問題だと思いますが、参考になれば幸いです。