論理的に指す

「読みをまとめてから指そうね」
「論理的に指そうね」
「学んだことを活用して指そうね」

この教室でよくお話しする内容をまとめた頭の使い方シリーズ、前回は「読みをまとめる」について書きました。今回は、論理的に指す、についてです。



将棋には、棋理という盤上の理があります。

-駒の損得、駒の働き、玉の安全度、手番の4つの要素で形勢が決まる
-4枚の攻めは切れない、3枚以下の攻めは切れる可能性が高い
-相手の弱点は、角頭、桂頭、玉の近く、離れ駒の4つ
-自分の攻めが相手の攻めよりも速い場合は強気に攻める、相手の攻めが自分の攻めよりも速い場合は受けて速度を逆転させる
-王手は追う手、玉は包むように寄せる

などが該当します。

論理的に指す、とは、棋理=将棋の原理原則に従って指すことです。上手な人ほど、基本に忠実ないい意味で普通の手を積み重ねて指します。そして、原理原則を踏まえさえすれば、形勢を損ねることはほぼありません。

ただし、将棋の難しいところは、原理原則がたくさんあることに加えて、それらの重み付けが局面毎に目まぐるしく変化することです。

例えば、
形勢判断をする時、駒の損得、駒の働き、玉の安全度、手番の4つの指標で判断しますが、ある局面では駒の損得が最も重要な指標になり、別の局面では手番が最も重要な指標になる、というような変化が常に起こります。

この変化を捉えられるようになるのは、対局数を重ね、棋力が高段者まで上がった後です。まずは、どんな原理原則があるのか少しずつ学んでいってほしいです。

原理原則を学ぶ最適な方法は、対局数を重ねて体で感覚的に理解していくことに加えて、羽生さんの名著「上達するヒント」を学ぶことだと考えています。(この教室を通して、上達するヒントの保護者の音読は、有効な学習法だと証明できています。)

論理的に指すことはとても難しいことです。少しずつ出来るようになっていってほしいです。