勝敗に直結する個性

既報の通り、10/5(土)に木村一基九段に教室にお越しいただきイベントを開催します。この夏、木村九段は、王位戦七番勝負と竜王戦挑戦者決定戦三番勝負で豊島二冠と十番勝負を戦っています。(現時点で、木村九段から見て、王位戦は3勝3敗、竜王戦は1勝2敗) 2週間後に行われる10局目の王位戦第7局は大一番で必見です。

この十番勝負を見ていて感じるのは、持ち味(個性)を出すことが勝ちにつながる、という事です。

豊島二冠が勝った将棋は、シャープに攻め切る展開、
木村九段が勝った将棋は、相手の攻めを受け止める展開、

両者の勝ちパターンがハッキリ分かれており、AI全盛で似通った将棋が多い中、とても面白い現象だと思っています。

では、なぜ個性が勝敗に直結するのでしょうか?

人間には各々性格があるように、棋風や思考のクセがあり、その特長を活かさなければ勝ちにつながらないから、だと思っています。つまり、AIのように固定観念なく考えられる完璧い近い存在ではないので、自分のカラーを出した方が、良い手を指す、悪い手を指さない可能性が高いんですね。

そして、これは洗練されているプロ棋士ですらそうなので、子供の将棋ではなおさらです。

子供達には、
-自分の気持ちを大切に琴線に触れる手を指し、心地よいと思う戦法を使おうね
-教室などで、先生や相手がこんな指し方がいいんじゃない?と言ったとしても、他の指し方もあるんじゃないか?と思ったら、遠慮なく主張しようね

とお伝えしたいです。

山の頂上に辿り着く道がいくつもあるように、将棋も勝ちや目標に対して様々なアプローチの方法があります。自分の個性を大切にぐんぐん伸びてほしいと思います!