中学生の時に野球部だった私にとって、憧れの存在はもちろんイチロー選手!小学6年生の時、史上初の1シーズン200安打を見て以来の大ファン(というか、神様的な存在)です。そのイチロー選手が選手の晩年にこのような事を語っていました。
(スポーツ選手が身体を大きくしようとするトレンドに対して)
自分の持って生まれたバランスを崩してはダメ。筋肉が大きくなっても、それを支える関節とか腱は鍛えられない。人体を理解すると、動きとかトレーニングにだいぶ差が出る。
人間の骨格はどうやっても鍛えられず、その骨格以上に筋力をつけてもパフォーマンスを落とす可能性があるばかりか、ケガのリスクを高めるという意味で、食事やトレーニングで体を無理に大きくしようとする現在のトレンドに警鐘を鳴らしています。
そしてこれは、そっくりそのまま今のこども将棋界にも当てはまると考えています。イチロー選手の発言を、こども将棋界の言葉に言い換えると、
年齢によってこどもの頭や心の成長度合いがおおよそ決まっており、そのバランスを崩すような学び方をしてはダメ。いくら理論的にいい指し方を覚えたとしても、それを支える頭と心は一朝一夕には鍛えられない。
つまり、最近のプロの棋譜や巷に溢れる定跡書などで、高度な理論で成り立っている指し方を学んだとしても、理解できる頭と心がなければ、使いこなすのが難しいばかりか、仮に瞬間的に勝てたとしても対局後に自分の頭で検証ができず、その後の伸びしろに悪影響を及ぼす、が私の考えです。(結果と原因を自分の頭で明らかにできなければ、改善しようがない)
理解できることを学ぶ。(本などでのインプット)
理解したこと、理解していなくても頑張れば理解できることを試す。(練習対局でのアウトプット)
理解できていることを使って勝負する。(本番)
これが実力向上と結果が両立する鉄則だと考えます。
お子様の頭や心の成長に合った学び方を心がけて、無理なく上達していってほしいですね。