言葉が自分を創る

将棋を始めて数年が経った高校生の時、高校生やアマチュアの大会で少しずつ全国大会に出場できるようになって、将棋世界や将棋年鑑に名前が載っている高校生強豪やアマ強豪とお会いしてお話しする機会が増えてきました。そこで気付いたのは、大会の優勝など結果を残す人達は、考え方や使う言葉が違うということでした。

その後、大学生や社会人になって、プロ棋士や奨励会員とお話しする機会もありましたが、プロとアマで住む世界は違っても、その傾向は同じだったと認識しています。

今回は結果を残す人達がどのように考えて、どのような言葉を使っているのか、私なりの考えを書きたいと思います。


課題はどんな手段を使ってでも解決する

課題は誰にでも必ずあります。それは、羽生さんや藤井聡太さんでも同じはずです。結果を残すためには、課題に対する捉え方、そして何が何でも解決しようとする思いや行動が重要です。

まずは、課題をポジティブに捉えましょう。課題は自信を成長させてくれる源です。課題を解決するゲームくらいに捉えて、ありがたく、楽しく課題と向き合いましょう。

次に、どんな手段を使ってでも解決しましょう。自分で解決できなければ、本で調べたり、誰かに聞いたりしましょう。また、課題を解決するスピードも意識しましょう。期限は次の大会まで、もし、研修会に入っていれば2週間後の次の例会までです。(2週間はとても短く、完全に解決できない場合も多いと思います。仮に不完全であっても、何らかの解決策=2週間前と異なる自分を創るのは必須です。)

“前の大会(や研修会)と比べて、ここが成長できた!”

と胸を張って臨めたらベストですね。

できない理由を並べるのではなく、できるための手段をひねり出す

将棋に限らず何かの物事に取り組み目標を設定すると、課題が明らかになり、目の前にそれを阻む制約が必ず生じます。時間、お金、人脈、年齢、住む場所、自身の能力、、、挙げればキリがなく、複数の制約が絡み合っている事が多いです。

“その制約の中で、どうすれば課題を解決できるのか?”

結果を残す人は必ずこう考えます。

できない理由を並べるのにエネルギーを使うのはもったいなく、できるための方法をひねり出すのに頭を使いましょう。どんな状況でも必ず突破口があるはずです。

指は自分に指す

対局が終わった後、大会や研修会が終わった後、必ず振り返りをしましょう。

その際、指は自分に指す、自分に中に意識を向けるのが重要だと思います。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」で、将棋は勝っても、負けても、必ず自身の改善点を抽出できます。

“ここが良かったから継続しよう!”
“あそこが悪かったから、次はこんな風に改善して指そう!”

と頭を整理して次の一局に臨めると、成長のスピードが格段に速まります。

自信と相手へのリスペクトを混在させる

上達すればするほど、格が上がれば上がるほど、世の中には上には上がいる事がわかります。(こういう私も、自分の能力の無さにコンプレックスを抱いた時期がありました。)

もしそういう状況になったとしても、自信だけは失わないでほしいと思います。自信を失くしたらその時点で勝てる勝負も負けになってしまいます。

相手が自分よりも優れている点があるように、自分にも相手より優れた点が必ずあります。例えば、読みのスピードが相手より劣っていたとしても、丹念に読む根気強さで勝負するなど、勝負の仕方はいくらでもあります。

“相手はここが優れているけど、自分はあそこは負けていない!”

自信と相手へのリスペクトを混在させてほしいと思います。


以上、私が考える結果を残す人の考え方、言葉をまとめてみました。思考や言葉が自身を創る、を意識してより上を目指して頑張ってほしいと思います。