既報の通り、オンライン勉強会の受講生が東海研修会の11月第二例会でB2に昇級し、12月1日付で女流2級になることが決まりました。この教室から初めてのプロ棋士が生まれとても嬉しく思っています。改めておめでとうございます!
この教室には、既に奨励会に入会してプロ棋士を目指している子や、近い将来のプロ棋士への挑戦を視野に入れている子が一定数います。今回のブログは、その子達に向けて書きます。
勝負将棋の環境に身を置くと、どうしても勝敗に焦点が当たりがちです。それは仕方のない事ですし、勝敗に一定の意識を集中させるのは勝つために必要だとも思っています。しかし、勝敗を過度に意識しすぎると、負けを恐れ、指したい手が指せなくなったり、新しい指し方にチャレンジ出来なくなったり、終盤で踏み込みを欠いたり、逆に勝つために必要な要素を失うことが多いです。最適な心の持ち方は個々で異なるという認識で、気持ちよく指せ、結果も残せる、自身にとって最もよい精神状態を模索していってほしいと思っています。
また、厳しい環境に身を置くからこそ、原点に立ち返って将棋への興味を広げていってほしいと思っています。強い相手と盤を挟むと、これまで出会ったことがない複雑で難しい局面が目の前に現れるはずです。その状況を楽しめれば、わからなかった事がわかるようになったり、これまでやってこなかった戦法や指し方が出来るようになったり、将棋の深さや広さを感じつつ成長していけると思いますし、自然と後から結果が付いてくるはずです。
将棋は本当に深くて広くて面白いゲームであることをお伝えする、を大切に教室を運営していきたい。改めてそう思った、今回のプロ棋士誕生でした。