新たな挑戦

「この教室でも合宿を開催して!」

という依頼が受講生親子からあり、今、夏合宿の準備をしています。この教室は新たなことに積極的に挑戦する、というスタンスを大切にしているつもりです。(転ぶことも多いですが…笑)

今回は、その背景にある考えと経験について書きます。


-受講生親子からあった依頼はNoとは言わず全て検討する (個人指導、船橋と東京への移転、オンライン対局などは、依頼がきっかけでサービス化しています)
-思い浮かんだ企画は全てチャレンジしてみる (最近では、私の半生、です)

この5年間、このスタンスで教室を運営し、今では北海道から四国、九州の子にもご参加いただけるようになりました。この背景にあるのは、

-新たな挑戦が自身を成長させる
-現状維持は後退につながる

です。この考え方は、私自身の将棋人生のある経験から学びました。

社会人2年目の3月、”朝日アマ名人”というアマチュア3大タイトルの1つを獲得しました。アマチュアのほとんどの大会は、1回負けたら敗退のトーナメント戦ですが、朝日アマ名人戦のみ、全国大会の優勝者が名人に3番勝負を挑む、プロのタイトル戦と同様の挑戦制というユニークな大会です。

ちょうどその時、勤めている会社で有数のハードワークを要する部門に配属されており、毎日、終電かタクシー帰りで将棋を勉強する時間がほとんど取れていませんでした。

その肉体的、精神的な疲れから、徐々にこのような気持ちが芽生えていきました。

「何とか棋力を維持して、(他のタイトルは取れなかったとしても) 3番勝負で2勝して朝日アマ名人だけは死守しよう」

今振り返れば、この後ろ向きな考えが崩壊の始まりでした。

持ち球の指し方の改善はそれ以前よりも鈍くなり、新たな戦法に挑戦する気持ちも徐々に薄らぎ… それまでは一局毎に新たな挑戦、発見があり、あれだけ楽しかったはずの将棋を指す営みが、徐々に退屈になっていきました。

朝日アマ名人のタイトルは、翌年は防衛できたものの、2回目の防衛戦で自身の将棋とは認めたくないほどの内容の悪さで、失冠しました。

将棋の技術は日進月歩、ライバルは日々努力している競争環境下で、棋力の維持、つまり、現状維持は後退を意味する。結果を残し続けるためには、新たな挑戦をして自身を高め続けなければいけない。

冷静になれば、簡単にわかることなのですが、当時は、自分自身に一杯一杯で、周りが見えていませんでした。


合宿は初めての試みで、右も左もわからず、これから何が起こるかもわかりませんが..笑 企画を考え、受講生親子から改善提案をもらい、講師の候補者や宿泊先とやり取りする時間はとても楽しいです!そして、楽しいという気持ちがあれば、何かしら成長できるはず。

これからも積極的に新たな挑戦をし続ける教室でありたいと思っています。