持時間による違い

今月、倉敷王将戦の全国大会@岡山県倉敷市とイオンモール杯@幕張新都心を観戦しました。また、先週行われた奨励会入会試験について、複数の方から貴重なお話を伺いました。

この3つには大きな違いがあります。それは持時間です。倉敷王将戦は20分で30秒の秒読み、イオンモール杯は20分切れ負け、奨励会入会試験は1時間で1分の秒読み、とそれぞれ持時間の設定が大きく異なっています。

では、持時間が違うと何が変わるのか?私は、よく陸上に例えて話をします。20分切れ負けが100~200メートルの短距離走、20分30秒が800メートルの中距離走、1時間1分が1万メートルの長距離走のようなもの。つまり、どこでも将棋の対局をするのは変わりはありませんが、時間設定によって求められるスキルが少しずつ異なるんですね。

例えば、切れ負けの将棋では終盤の局面で数秒でそれなりの手を指す反射神経が、30秒の秒読みでは30秒で考えをまとめていい手を指す頭の回転の早さが、1時間1分の将棋では丹念に読みを積み重ねていく力が求められます。

そして、求められるスキルが異なれば、当然、練習方法も異なります。詰将棋一つとっても、それぞれのスキルを磨く問題のテイスト、手数は違います。

以上を踏まえて、2つ提案したいと思います。

1.目標から逆算して、目標達成に求められるスキルを明らかにし、何のために何を鍛えるのかを意識して練習をしましょう。
2.持時間をできる限り目指す大会と合わせて練習しましょう。

本番を想定した練習をして、求める結果を出し自信をつけて、次の目標に向けた練習をする。こんな好循環が生み出せたら最高だと思います。長かった夏休みもあと10日弱、ラストスパート頑張ってください!