自分が行きたいと思う将棋教室を創る

ブログを書き始めてから1年数カ月、これまでは、棋力の向上や大会の結果につながるための考え方やノウハウを中心に書いてきました。

今では、ありがたいことに、将棋キッズの保護者だけでなく、将棋教室を運営している方にもご覧いただいています。そこで、これからは私が考える教室運営のノウハウについても、少しずつ書いていきたいと思います。

まず初めは、マーケティング関連の話です。

将棋教室に限らず、何かのモノを売ったり、サービスを提供する時、まず考えなければいけないのは、誰に、何を、どうやって提供するかです。そのアウトプットを出すための道筋はいくつか存在しますが、大切にしている考え方があります。

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その原体験は、8~9年前にHEROZ(将棋ウォーズを作った会社)のCEOである林隆弘さんとご一緒した秋元康さんの講演にあります。

当時は、AKB48の全盛時代。講演会場までの道中、林さんから、

「なぜ、AKBはブレイクしたと思う?」
「なぜ、AKBのブームは一過性で終わらないと思う?」

と矢継ぎ早に質問され、固まってしまった苦い記憶が蘇ります。。。
(アンテナの低い自分は、アイドルのヒットの法則なんて考えたこともない。。。(笑) しかし、経営者は、参考になりそうな事象があれば、分析して自身のビジネスに生かす、その姿勢を真似なければと思いました。さらに、その後に展開されたAKB48ヒットの理論には唸りっぱなしでした。)

そして、今でも記憶に残る秋元康さんの一言は、

「ペルソナって言いますが、そんな架空の話を考えているから誰にも響かないものが出来上がるんですよ。重要なのは、自分自身の琴線に触れるものを創る事なんじゃないですかね。少なくとも、私はそうやって仕事をしています。」

マーケティング理論に縛られていた当時の自分にとって、とても新鮮な考え方で、この話から2つの事を学びました。

1つは、自分自身が良いと思うモノやサービスは、他の誰かも良いと思う可能性が高いこと。
もう1つは、売り手が満足感のある仕事をしなければ、買い手の心には絶対に響かないこと。

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この経験を活かして、自分自身が行きたいと思うか(琴線に触れるか)どうかで教室の仕組みを設計しています。

この「行きたい」には2つの意味があり、一つは先生(売り手)として行きたいかどうか、もう一つは保護者や将棋指し=子供(買い手)として行きたいかどうかです。

そうして設計したサービスの中身を、マーケティング理論(例えば、STP4P)で、抜け漏れがないか、押さえるべきポイントは押さえられているのか、をチェックして問題ないと判断すれば、世に出します。直観が先、論理が後の順なんですね。

将棋に置き換えれば、この頭の使い方は自然だと思っています。
自分の指したい(琴線に触れる)手があって、読みや大局観、形勢判断でその裏付けを取る。これと同じです。(将棋で学んだ頭の使い方は、他の分野でも転用できることが多いです。)

これからも、自分自身の感性を大切に、自分が行きたいと思う将棋教室を創っていきたいと思います。

※長くなってしまったので、具体例は次の機会に。