自分の頭で振り返ろう2

「伸びしろのある有段者」シリーズ。前回は、棋譜を振り返る「主体(誰が)」に焦点を当て、自分の頭で振り返る重要性についてお伝えしました。今回は、自分の頭で「内容(何を)」振り返るのかについて書きたいと思います。

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未来の対局に活かすため、という振り返りを行う目的を満たすために、何に気を付ければいいのでしょうか? これまで、このブログや教室でお伝えし続けてきた通り、この手が好手/悪手で、ここでこう指せば自分が勝っていた、と指し手だけ振り返るのではなく、汎用性や再現性のある考え方まで落とし込むのがポイントです。

つまり、上手く指せた局面では、

・良い手
・良い手を指せた理由、良い手を継続するために気を付けること

改善すべき局面では、

・悪かった手
・悪かった手を指した理由、今後悪かった手を指さないために気を付けること
・代わりの良い手
・良い手の理由、今後良い手を指すために気を付けること

を押さえるのがポイントです。最近指した将棋(私が後手)でその具体例を紹介します。

上手くさせた局面

相穴熊の中盤戦、序盤で私に不用意な一手があり、香得ながら駒の働きが悪く苦戦の局面です。

ここで、普通の手は、66馬 51歩成 48馬 同金寄 ですが、飛銀香の3枚では先手の穴熊を攻略する筋がなく、一方、先手は41とから確実な攻めを見込め、一直線で負けになってしまいます。

そこで本譜は、65馬 51歩成 76馬 41と 85馬 31と 同金 と進めて、将来の41馬を見せて粘りに出ました。少し模様の悪い局面で、自分から暴発せずに辛抱する方針で指せたのはとても良かったと考えています。

改善すべき局面

20手ほど進み、まだ苦戦ながら後手にもチャンスが出てきた局面を迎えました。

しかし、ここで51香が大悪手。すかさず21馬 同金 33桂と食いつかれて、これまで辛抱を積み重ねて作ったチャンスを一瞬で消してしまいました。相穴熊戦は、駒の損得よりも寄せが見える形にすること(相手玉への食いつき)の価値が高いですが、それぞれの価値の重み付けを誤っていたのが原因で、今後はこのような食いつきを許さないようにしなければいけません。

ここでは、38歩と相手の玉に嫌味を付けておく手が良かったと思います。同金であれば、守りの金が88竜のラインに入り、先手玉への距離がグッと縮まります。38同金であれば51香や57歩、49金であれば39銀、とにかく、多少の駒の損得は気にせず、先手玉の寄せが少しでも見える形を目指さなければいけませんでした。

このような形で汎用性や再現性のある考え方まで落とす振り返りができれば、未来の対局に活かすことができるはずです。さらに一定のレベル以上(前回の書いた通り、アマチュアでいえば、一般大会の県代表以上のレベル)になった後は、自分の頭で振り返った後にAIを使って自分の考えとAIの考えを対比させるとさらに理解が深まるのは間違いありません。

振り返りの具体例については、以前に書いた記事も参考にしていただければ幸いです。