勝つために必要な飢餓感

先週末は、テーブルマークこども大会でした。参加された皆さまお疲れさまでした。初めて会場に行きましたが、参加者3,000人超が一斉に対局する光景は壮観ですね。将棋がもつ力と可能性を改めて感じました。

—————-
予選1回戦から壇上の対局まで一通り観戦して思ったのは、

「上位まで(ベスト8や16くらいまででしょうか)は”技術の勝負”だけど、そこから先は”心の勝負”になる」

という事。上に行けば行くほど、目の前の勝負にどれだけ勝ちたいと思っているのか、普段からどのような姿勢で将棋と向き合っているのかが問われるんですね。これは、私が経験してきた高校、大学、社会人の大会と同じだと思いました。ここ一番の勝負になればなるほど、スキルよりもメンタルの重要性が増すのが面白いところです。

では、勝つことへの渇望や盤上や勝負へのあくなき探究心はどこから生まれるのか? 

プロ棋士やアマタイトルホルダーと大会や研究会などで時間を共有した経験から、その答えは「飢餓感」だと考えています。彼らは、勝つ事、将棋や勝負の真理を知る事にとにかく貪欲で常に飢えており、そこから生まれるエネルギーの強さは尋常ではありません。

例えば、研究会で対局したあるプロ(タイトル戦に登場した事も強豪棋士)には盤を挟むだけで殺気で圧倒されましたし、あるトップアマには嫌だと思っていた手をことごとく指され、考えを全て見透かされている恐怖を感じました。また、6月に教室に遊びに来た倉敷王将も経験しているトップアマは「小学生の時、定跡を全て覚えた。棋譜は1日3局、年間1,000局を盤を使わず脳内で並べた」と空気を読まず言い放って帰りましたw

彼らの根底にあるのは、将棋を誰よりも好きだという思い、そして、もっと将棋を知りたい強くなりたい、ライバルに勝ちたいという心の飢えだと思います。

—————-
この仕事を始めて、今の子供達の環境の良さに驚いています。わからなければ先生やAIに聞けばよく、ネットでいつでも対局でき、求めれば書籍やサービスを購入してもらい、大会のためにどこにでも連れて行ってもらえる。

そのような光景を見る度に、強くなるための高速道路だと思う一方で、そこからは「飢餓感」が生まれず、入賞ラインまでしか届かないのではないかとも思います。

なので、保護者の皆さまには子供に心の飢えを感じさせる仕組みを意図的に作りましょう、と声を大にして言いたいですね。子供を崖から突き落として自分の力で這い上がらせる。それが、肝の勝負で勝ち切る原動力になると信じています。

最近、小1の息子が将棋を始めて望むものを全て与えるなど甘やかしがちなので、自戒の意味も込めて。