将棋の基礎とは何か?

この数か月、嬉しい事に印西の教室に新しいメンバーが何人か入ってきました。

将棋の難点は、目で凄さを感じられるものではなくとてもわかりにくい事。将棋をご存じない保護者の方にはなおさらで、特に始めたばかりの時は何のために何に手を付けたらいいかわからないでしょう。そこで、今回は将棋の基礎とその練習法について書きたいと思います。

まずはじめにお伝えしたいのは、基礎固めの重要性。基礎がどれだけしっかり身に付いているのかがその後の伸びしろの大きさを決めるからです。これは、学業でも、スポーツでも、芸事でも何でも同じですよね。将棋もしかりで、将棋を始めた時だけでなく子供の時には、とにかく基礎固めに注力していただきたいです。

では、将棋の基礎とは何でしょうか?

上の画像は、将棋指しの頭の中を図にしたものです。次の一手を決めるために、このようなツリーを頭の中に作っています。そのために必要になるのは、一般用語を使えば「探索」と「評価」、将棋用語を使えば、「読み」と「大局観」(未来を見通す=探索)、「形勢判断」(見通した未来の状況を判断する=評価)です。そして、この「読み」「大局観」「形勢判断」の3点が将棋の基礎だと考えています。

では、未来を見通す2つの手法の「読み」と「大局観」はどう違うのでしょうか?

「読み」とは、具体的な打ち手を精緻に検証する事に対し、「大局観」とは、どの方向性が良いか俯瞰して大まかにつかむ事。現在地から目的地までの道の探索で例えると、「読み」は、地べたを這って1つ1つの道を確認する作業で、「大局観」は、空からが眺めてどのあたりを通るのが良さそうかを大まかに把握する作業です。

実戦では、「読み」と「大局観」を組み合わせて考えます。「大局観」で、攻めた方が良さそう、受けに回った方が良さそうなどと大まかな方向性を決めて、「読み」でその方向性の具体策やその策で問題ないか裏付けを取ります。「読み」のみでは先を読めば読むほど指数関数的に膨張して数の壁にぶつかり、「大局観」のみでは大まかにしかつかめず具体的な1手を導けません。

そして、初学者や子供が鍛えるべきは「読み」です。子供の時は、具体的に考える(=読み)のはできますが、抽象的に考える(=大局観)のは苦手なので。「大局観」は経験を積むことで磨かれる力で、年齢を重ねるほど「読み」より「大局観」の割合が増えて次の一手を決めます。

「読み」を鍛えるために最も効果的なトレーニングが詰将棋です。まずは、読みの基本と言われる「3手の読み」が出来るようになるために、3手詰をたくさん解いて、実戦をたくさん指してほしいと思っています。自分がこうやる→相手がこうやる→自分がこうやる、2手目の相手の最善手、自分の一番困る手は何かを探して、3手先まで考えて次の一手を指す。これが上手にできれば立派な有段者です。

伸びしろのある成長を実現するために、将棋の基礎の1つである「読み」の力の向上に注力していただきたいですね。

※「読み」と「大局観」の説明は、羽生善治さんの言葉を拝借しています。
※「形勢判断」については後日、改めて書きます。